yama5: 2010年12月アーカイブ

FITC TOKYO 2010メモ

昨日、開催されたFITCに参加してきました。

○Flashで作成する高性能モバイルコンテンツ(Mike Chambers)
Flash Player 10.1にて搭載されたGPUの使い方、スマートフォン向けアプリ作成時のTipsが主な話
GPU Composition:GPU側でキャッシュを保持し、アニメーションのレンダリングを行う
「cashAsBitmap = true」これだけでGPUがレンダリングを行う。
「cashAsBitmapMatrix = new Matrix()」を記述すると回転等のアニメーションにも適用される
スマートフォンでも使用可能
iOS向けに作成した場合にはデバッグモードが使える。デバッグモードでは再描画エリアが赤く見える。
GPU Compositionを使用時の注意点として、「DrawingAPI」「アニメーションする子がいる」「マスク」「ColorTransforms」「ディスプレイオブジェクトのリストから削除する」場合には思った通りに機能しない
ディスプレイオブジェクトのリストから削除するのではなく(removeChild())、visibility=falseを使いましょう
モバイル向け開発の注意点として「new ○○○()」はコストが大きいので、なるべくオブジェクトを使いまわしましょう
オブジェクトをプールするクラスを使うと便利
イベントではなくコールバックを使った方が早い
タッチとマウスイベントはほぼ同じものとして記述できる。ただしマルチタッチはタッチイベントを使う。
新しい3D API(参考:http://vimeo.com/16175169)は今のところデスクトップ向け。いずれモバイルでも利用できるようになるとのこと。


○拍動性クラックル(Andre Michelle
Flashで606とか808とかを作った人
基本的にはシンセの仕組みの話
波形を生成して、音を鳴らして、波形をズラしてディレイを掛けてというのを当たり前のようにASでやってました
Flash版テノリオンやパーティクルの座標から波形を生成して音を鳴らしたり、物理演算の仕組みを利用して作ったシーケンサのデモなど。
波形を円を描くようにして配置し、レーダーのような針を回して再生するループプレーヤーのデモが圧巻。レーダーの針が再生ヘッドになっていて、針を邪魔するように線を描くとループの再生速度が変わったり、更にループしたりする。
多くのデモはhttp://lab.andre-michelle.com/にて公開されているので要チェック

○Unity入門 ハイクオリティ・インタラクティブ・3Dコンテンツ(Tom Higgins
ゲーム向け開発環境Unityの紹介。
プラグインが必要だがブラウザでも動作する形で作成可能。
比較的簡単に写り込みなども実装できるらしい。
ブラウザで動作するゲームとしてEAがタイガーウッズのゲームをunityで作ったらしい。デモを見たけど、非常に画面が美しい。
何となく名前は知っていたけど、本格的に使おうとすると若干値段が高めな印象。

○HYPE Frameworkで創造力を加速する(Joshua Davis
自身が作成した「HYPE Framework(http://www.hypeframework.org/blog/content/hype-gets-a-new-domain/)」の紹介
誰でもJoshua Davis風のグラフィックが生成出来るフレームワーク。
アニメーションの機能も含んでいる模様。
ドラッグしただけでグラフィックが出来上がったりするようなものを作成できるとのこと。
HYPEを利用してプリントなども作っているらしい。イラレにデータを写すときに10万レイヤーとかになって大変らしいけど。

○『 TelephoneMe』と陰謀のための陰謀(MK12
007のオープニングも作成したアニメーションスタジオの映像紹介。
音楽も含め、全般を自分たちで行うらしい。
使用ソフトもAdobeやMayaなど普通に入手できるものばかり。
メンバーの役割は特に決めていないとのこと
実際に作成した映像をいくつか見せてもらったけど、モーションタイポが非常にうまい、センスがいいと感じた。こういうの作りたいと思うような映像ばかり。
日本の文字は繊細で面白いと言っていたのが印象的。
007のオープニングを作るまでには何度もテストムービーを作っては監督に見せて、ようやく仕事をもらったとのこと。。

○オープンソースマジック(Marco Tempest
プロジェクタとカメラ、LEDなどを利用した手品を披露
キャンバスにプロジェクターで絵を投影して、ARによって絵を制御して合間にオールドスクールな手品を混ぜてる感じ。
今ならキネクト使うともっと違ったことが出来るかも

○アメーバピグ for Androidができるまで(切通伸人
ブラウザ向けのアメーバピグをAndorio向けに移植したという話
AIR for Androidを使ったのですごく楽だったとのこと
ただし、画面構成はAndroid向けに大きく変えたそうです。基本は「ボタンは大きく、少なく、文字は大きく」らしい。

○アクチュアル デザイン(中村勇吾
自身が作成したサイトやCMを紹介しながらコンセプトの説明
「基準点が大切、差異は常識から生まれる。新鮮は当たり前から生まれる。」とのこと。
広告は「新しく感じてもらう」ことが大事。全く新しいものは誰にもわかってもらえないとのこと。
例えば「インタラクティブにアニメーションするウェブサイト」ではなく「ウェブサイトづらしたアニメーション」と言うことで新鮮に感じるそうです。
プレゼン用のデータもいくつか披露していたけど、ものすごいクオリティが高い。CMの絵コンテをFlashで作ってるみたい
以前から気にはなっていたけど、やはり音にはかなりこだわりがある模様。音がある前提でデザインしたり、音と絵の同期にもすごくこだわるらしい。
広告では「興味をもっているユーザー」を前提にしてはいけない、なるべく自然に伝わる形で、とのこと