yama5: 2017年11月アーカイブ

レトロパイキャビネット作成

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レトロパイ用のキャビネットを自作したので、パーツリストや図面、得られた知見をまとめます。


仕様
ラズベリーパイ+レトロパイ、7インチ液晶、ジョイスティック+8ボタン、電源スイッチ、バッテリー内蔵、音量ボリューム、モノラルスピーカー


パーツリスト
  • ラズベリーパイ
  • ファン付ケース
  • アガチス板 30x60x5mm x1
  • MDF板 45x90x2.5mm x1
  • レザーシート
  • 7インチLCDx1
  • ジョイスティック(LS-56-01)x1
  • 24φ差込式ボタン(PS-14-D)x6
  • サービススイッチ(DS-412)x2
  • アーケードスティック用基板x1
  • モバイルバッテリーx1
  • 電源スイッチ(2極1投) x1
  • ボリュームノブ x1
  • USBスピーカー(基盤とUSBケーブルを使用)x1
  • 可変抵抗x1
  • スピーカーx1
  • 両面テープ付マジックテープx1
  • HDMIケーブル x1
  • LCD電源供給用DC端子付USBケーブル(タイプAオス/DC 外径5.5φ(内径2.5φ)x1
  • ラズベリーパイ給電用USBケーブル(タイプAオス/マイクロBオス)x1
  • モバイルバッテリー給電用USBケーブル(マイクロBオス/マイクロBメス)x1
  • L字USB変換コネクタ(タイプAオス/タイプAメス)x3
  • ゴム足 3mm穴 x4
  • L字金具 20x15 x4
  • 皿ネジ 4x10 x6
  • 丸ネジ(黒) 4x10 x8
  • 配線用ビニール線
  • オイルステイン
  • 蜜ロウ

費用
¥25,000(材料費のみ。買い直した分は未計上。工具抜きで4万くらいは掛かってると思う)


図面
※後加工が必要です(後側のL字金具用のネジ穴の位置をやや手前にし、前面のスイッチ用の穴をやや大きくした方がいいです。入手したパーツによって変わるため参考程度に)


作成内容

下準備
木工も電気も中学以来なので練習がてら、KORGのガジェット系シンセを収納できるラック作成とエレキギターの電装交換でリハビリ。

電装系の動作確認
まず液晶やスティック、ボタンなどの電装パーツを購入し、一通り繋いで動作確認。
本当はここでケーブルの長さとか配置とかを詰めておいたほうがいいです。

キャビネット図面作成
板取り図を書き出せるFusion360でデータを作成。PDFで書き出せます。
シンセラックを作った時はSketchUp(今はGoogleじゃないのね)を使って図面を作成しましたが、フリー版だとベクターデータで書き出せないので試用期間中に完成させてデータを作成。
SketchUpとFusion360両方を使った印象としては操作自体はSketchUpの方が取っつきやすいけど、Fusion360の方が微調整しやすい印象。


木材加工
板取り図をAIファイルに変換して、レーザーカッターに読み込ませると図面通りに切断してくれます。レーザーカッターはレンタルしてくれるところを探してカットしてもらいました。

カットされたコンパネとサイドの板は切断面を隠すため、2枚を貼り合せました。
サイド用の板は皿ネジを埋め込むために彫刻刀でネジの頭が収まるように削って別のサイド用の板と貼り合わせてクランプで固定。はみ出した接着剤をキレイに拭き取ります。固まってから削るのは大変です。


仮組み
パーツがキチンとハマるか、収まるかの確認をします。
採寸を間違えてたらしく、L字金具と前面のボタン用の穴をやすりで削りました。
ゴム足も一部カッターで切り落としました。

いざ組立ようとして、グリグリ押し込んだら液晶が壊れました。
同じ液晶を買い直したのですが、別の液晶がやってきて、サイズは違うわ、動作アンペア違うわでものすごい手間取った。
最初の液晶はラズパイからの給電で足りてたけど、新液晶は別口から給電しなくてはならず、2口のモバイルバッテリーを購入。2回路になったので2極1投の電源スイッチも購入。
2口の小さいモバイルバッテリーって選択肢ないですね。
液晶のサイズが変わったので筐体の図面も直して、再度レーザーカッターで切ってもらった。


塗装
サイドの板はオイルステインで着色し、蜜蝋仕上げ。底面と背面は艶なしの黒に塗り、天面とコンパネ部分はレザーシートを貼りました。
オイルステインを塗りすぎて木目が消えてしまった。


組立
USBスピーカーは片チャンネルの線を切断してモノラル仕様にしたところ、ボリュームが効かなくなったため、ギターの残り物のボリュームポットに変更。元がステレオ仕様だったので配線がよくわからなかったのが原因です。別に購入した小型スピーカーを底面にねじ止めして固定。

アンプ基盤と液晶用の基盤を液晶の裏にマジックテープで固定。
液晶は16:9のワイド画角なのですが、レトロパイ側では4:3の画角としてしか認識してもらえなかったため、一時的に付属の設定用の基盤をつないで4:3画角に変更し、レザーシートで左右を隠ぺい。

コンパネはファストン端子なのでパチパチ繋いで終了。

仮組み時に何となくわかってはいたけどUSBケーブルが長すぎて収まらないので、短くしつつ、ラズパイと液晶の給電用USBケーブルに電源スイッチをつなげました。

バッテリー給電用のUSB口を背面に接着、模型用のパテで固定。金属剥き出し部分をテープで絶縁。ケーブルやら端子やらでスペースを圧迫されつつ、無理矢理ネジを締めて完成。

実際には無理矢理押し込んだので、ハンダで固定してたとこが取れちゃったり、ショートしちゃって動かなかったりで何度も開け閉めしてます。最終的に収まりきらずに背面パネルが曲がってます。


Tips

レーザーカッター
レーザーカッターはお店の人にやってもらうのがおすすめです。レーザーの出力とか焦点距離とかわからないまま手探りで操作してると、切断面がどんどん炭化します。

どうしても切断面が焦げるので設計図の段階で意識しておく必要があります。焦げ目を消す場合はやすりで削る必要があるのでその分、小さくなってしまいます。
ホゾを手で削ると精度が出ないため、ホゾを使って組み立てる場合には切断面が見えない、目立たない設計にした方がキレイに仕上がります。
また厚い板ほど切断面の炭化が目立ちます。板の油分も炭化に影響するらしいです。

店員さんの話では切断する場合におすすめな木材がアガチスらしいです。
ただアガチスは木材としてはやわらかい方なので、割れやすい。キッチリとハメ込む作りの場合は強度に注意。
MDFはそれなりに強度がありながら削りやすいので便利ですが、油分が多くて焦げやすいとのこと。
ベニヤも悪くはないけど、薄いと反ります。ベニヤに限らず、木材は反るので買ってきたら早々に加工した方がいいです。雨が降るとガンガン反ります。


配線
絶縁大事です。
ボタンのファストン端子が別のボタンの端子と接触しちゃってコントローラーを認識しなくなりました。全ての端子に絶縁テープを巻いて、ボリュームポットと電源スイッチも絶縁テープを巻きました。

USBケーブルは自作の方が取り回しが楽になります。
市販のケーブルは用途に対して長すぎるし、延長/変換ケーブルを多用すると接続部が邪魔になりやすいです。筐体をコンパクトにしようとすると束ねたケーブルと端子の体積に悩まされることになります。
今回はL字コネクタの端子だけ残して別のUSBケーブルに繋いで使用しました。

またバッテリーの充電に非常に時間が掛かるのでUSBの急速充電について調べたのですが、特に決められていないらしく、メーカーによって方法が異なるようです。
データ用の線をショートさせる形が多いらしいですが(液晶用に買ったDC-USBケーブルがそれだった)、抵抗を噛ませる方法もあったり、端末側の仕様に合わせる必要もあるらしいのであきらめました。


反省点
  • 筐体はもう少し大きくしてハンドレスト的なスペースと配線用のスペースを確保した方がよかった
  • 液晶はもう少し角度つけた方がいい(液晶の視野角度からやや外れてた。本当は4:3の液晶が欲しかった)
  • バッテリーの容量と充電時間が不満(動作時間は2時間未満)


感想
レトロパイ筐体用のDIYキットが売ってるので、それ買った方が楽。
3DS LLが2万、Switchが3万ってスゴいし100均のスノコとか木箱もスゴイ。

参考